総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
「俺さぁ、許せなくて。勝手に姉貴を殺して墓建てた両親が。だから家出たんだよ」
「・・・家出?」
「そう。んでね、その時拾ってくれたのがヒサだった。」
ヒサ・・・・・。
あんた、めっちゃいい奴だったんだね。
「ヒサは帰る場所のなかった俺にここに住めばいいって言って、さっきいたあの家に住まわせてもらってんだ。」
「あのでかい家?」
「うん。で、あいつの右腕しながら今は姉貴の行方をたどってる。」
「そっか。あたしにも出来ることはないかなぁ」
そう言ったあたしにルイはびっくりしたような顔でこっちを見た。
そして、豪快に吹き出し笑い始めた。
「ちょっ!!な、なんで笑うのっ!?」
「い、いやゴメンゴメン。フハっ!だって普通の女の子だったら“見つかるといいね”とか“すぐに見つかるよ”とかばっかり。でもレナちゃんは違った。優しいねレナちゃんは。」
「そんなことない」
あたしは、優しさで言ったわけじゃない。