総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】

「俺さぁ、許せなくて。勝手に姉貴を殺して墓建てた両親が。だから家出たんだよ」

「・・・家出?」

「そう。んでね、その時拾ってくれたのがヒサだった。」

ヒサ・・・・・。

あんた、めっちゃいい奴だったんだね。

「ヒサは帰る場所のなかった俺にここに住めばいいって言って、さっきいたあの家に住まわせてもらってんだ。」

「あのでかい家?」

「うん。で、あいつの右腕しながら今は姉貴の行方をたどってる。」

「そっか。あたしにも出来ることはないかなぁ」

そう言ったあたしにルイはびっくりしたような顔でこっちを見た。

そして、豪快に吹き出し笑い始めた。

「ちょっ!!な、なんで笑うのっ!?」

「い、いやゴメンゴメン。フハっ!だって普通の女の子だったら“見つかるといいね”とか“すぐに見つかるよ”とかばっかり。でもレナちゃんは違った。優しいねレナちゃんは。」

「そんなことない」

あたしは、優しさで言ったわけじゃない。


< 76 / 204 >

この作品をシェア

pagetop