総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
ユウコのいたずら
「ルイ・・?」
あれから、ルイが一点を見つめたまま全く動かない。
「え・・。あ、あぁ。」
あたしの言葉でやっと我に帰れたルイ。
ぶわぁっと風が真正面から吹いてくる。
やっぱり、近くに海があるみたい。
風に乗って潮のにおいがする。
「さぁ。帰ろうか。みんなもおなかすいたりしてるだろうし。」
「うん。そうだね。ねぇ、近くに海があるの?」
あたしは思わず聞いてしまった。
外に出れることがうれしくて。
“鎖”がついていないことがうれしくて。
「あるよ。明日でも行こうか。」
「いいのっ!?」
ニコニコと笑うルイ。