君のもとへ
あたしの両親は、あたしが10歳の時に事故で他界した。
最初の頃は幼いこともあり、現実を受け入れがたかったけれど、もう慣れてしまった。
今は3歳上の、同じように今年から大学生の姉、柚季<ユキ>と2人で日々暮らしている。
けれどその柚季ねぇ。
あたしの学校行事には、年齢層がなんとかなどと言って、なかなか来たがらないわけで。
だから今日も1人で行くわけで。
しかもほぼ知らない場所へ。
そりゃ道を間違うこともあるわけで…。
そう、現在絶賛迷子中。
入学を控えてるのに学校までの道のりをしっかり把握してないなんて、確かにあたしのミス。
だけど高校入学を機に、田舎から越して来たあたしにとって、この地元とは比べ物にならないほど大きな町は迷路と言ってもいいほど。
柚季ねぇが大学に通えるための引越しだから仕方なかったけど…。
お父さん、お母さんとの思い出がいっぱいつまっている実家を離れたくはなかった。
入学説明会の時に辿った道のりを、懸命に思い出そうとする。
えっと…確かこのコンビニで飲み物を買って、そしたら小学生が小銭落として、その時100円玉があたしの靴に当たって…
「ってどうでもいいわ!」
…あぁもうどうしよう。
最初の頃は幼いこともあり、現実を受け入れがたかったけれど、もう慣れてしまった。
今は3歳上の、同じように今年から大学生の姉、柚季<ユキ>と2人で日々暮らしている。
けれどその柚季ねぇ。
あたしの学校行事には、年齢層がなんとかなどと言って、なかなか来たがらないわけで。
だから今日も1人で行くわけで。
しかもほぼ知らない場所へ。
そりゃ道を間違うこともあるわけで…。
そう、現在絶賛迷子中。
入学を控えてるのに学校までの道のりをしっかり把握してないなんて、確かにあたしのミス。
だけど高校入学を機に、田舎から越して来たあたしにとって、この地元とは比べ物にならないほど大きな町は迷路と言ってもいいほど。
柚季ねぇが大学に通えるための引越しだから仕方なかったけど…。
お父さん、お母さんとの思い出がいっぱいつまっている実家を離れたくはなかった。
入学説明会の時に辿った道のりを、懸命に思い出そうとする。
えっと…確かこのコンビニで飲み物を買って、そしたら小学生が小銭落として、その時100円玉があたしの靴に当たって…
「ってどうでもいいわ!」
…あぁもうどうしよう。