幸せの滑走路
私のママが亡くなって半年がたった。
季節はそろそろ秋を迎え残暑が残るもののだいぶ過ごしやすくなった。
そんな私はだいぶ慣れた教室で澄んだ秋空を見つめていた。
相田羅夢(アイダラム) 高校一年生
親戚の支援のおかげで入れたこの学校で私は1年目の秋を迎えた。
しかし今年の秋はどんなに澄んだ秋空を見ても心に何も響かない。
私の心にはぽっかりと穴が開いてしまったように何を見ても心に留まることなどなかった。
むしろ季節さえどうでもよくなってしまって今もただぼんやりと眺めるだけだった。
どのくらいこの教室に居ただろう。
教室には私だけでグランドからは運動部の掛け声が聞こえる。
静かに私は席を立ち帰ろうと鞄を肩にかけた。
すると勢いよく入り口のドアが開かれた。