幸せの滑走路
私は仕方なく答えるしかなかった。
「別に何も…………」
「ふぅん。淋しい人だね。」
自分から声を掛けときながらその受け答えはどうかと思う。
確かに無愛想な返事をした私も悪いと思うが、特別何かしてた訳でも無いのが事実である。
「ほっといてよ!」
そんな冷たい言葉を吐き捨てて私は教室を飛び出した。
相談でも乗ってくれるのかと少しでも期待した私のバカさを心で笑った。
とぼとぼと私は誰も居ない家へ帰り着くのだった。
“ただいま”の声も反響もしない闇に飲まれていく。
これが我が家であり私の居場所である。
と言っても誰かがここだと認めた訳じゃない。
勝手に私が思い込んでいるだけで。