はなぼうっ!


「どしたのこたちゃん?」

 実希は驚いて布団から飛び起きた虎太郎を不思議そうな目で見た。

「ど、どど、どうしたじゃねぇぇ!」

「……?」

「もう今日から高校生だろ!」

「うん、だから遅刻しないようにこたちゃんお迎えに来たの!」

「おお、サンキュ……じゃなくって! 前も言っただろ、男の子の部屋に勝手に入るな!」

「でも昨日も入ったよ?」

「だから……っ!」



 なんの曇りも無い笑顔でそう言う実希に、虎太郎はもう繰り出す言葉も無かった。


「……もういいや。 とりあえずリビングの方で待ってろよ、すぐ行くから」

「えー、待ってちゃダメ?」

「着・替・え・る・のっ!!」


 その言葉を最後に虎太郎は実希を部屋の外に放り出した。



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