新しい砂時計(続編)
「今日、亜実が。亜実が―――――」
『亜実さんが、どうした?』
ハッ。
俺の目に入ったものは。
空になった、プラスチックの衣装ケース。
「そうだよ、亜実があああああああああッ!!!!!」
ガタン!ガタン!
積み重なっていた、さほど大きくはない衣装ケース2段が 。
音を立てて床に投げつけられた。
―――――――ハッ。
俺は、何をしていたんだろう。
こんな、真新しくてまだ何も入っていない衣装ケースを。
床に、思い切り投げつけたりして。