新しい砂時計(続編)
『そうか、亜実さんが、他の男と仲良く話していたんだな』
「はい。………悲しいより悔しいより、笑えてきてさ。なんか、俺だけ、こんな必死なのか、って」
活田はだまって聞いてくれていた。
本当に素晴らしい担当者だよ、感謝してる。
けれど、この感情は消えなくて。
衣装ケースを投げつけた。
その俺は、狂ったもう1人の俺なわけで。
そんな俺は、亜実のそばにいる資格なんかまったくなくて。
ただ、堂々巡りなだけだった。
俺から離れていったって、それは自然なことなんだ。
今は、亜実をこれ以上傷つけないように、苦しめないように。
元の俺に戻れるように。
必死にやるしなかないんだ。