新しい砂時計(続編)


あいつの手は、亜実の華奢な手をつかんでいて。
悔しいけど、何もできない自分がいた。


『亜実は階堂にコクられて、付き合ったみたいだ』


そう言ってきたのは利樹だった。
わかってる。
………いや、少し安心した。
って言っちゃおかしいことなんだけど。


亜実から、告白したわけじゃないと知って、どこかほっとしたんだ。
そんなこと、する人じゃないと。


とか何とか言ったって、告白を受け入れたことにはかわりない。
あの笑顔は―――――俺のものではない。
階堂和真のものなんだ。


悲しみが、つらさが、込み上げた。
もし俺が治っても、回復しても、亜実はこの手には戻らないんじゃないか。


俺こんなに弱かったっけか。


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