新しい砂時計(続編)
俺はあの時よりはるかに落ち着いてきて、狂うこともめずらしくなった。
だけど、完全に戻れた、という確信はない。
活田にもそう言われた。
もしかしたら、これ以上のどん底が―――――
ない、とはけして言えないから。
だから、ただ、がんばるしかない。
今は、狂うよりも。
亜実がどんどん俺の手の届かない場所へ行ってしまうのが怖かった。
あいつのもとへ、笑顔でかけより。
俺なんか、視界にすら入らないという。
いつしか、涙もろくなってた。
亜実みたいだ。
大丈夫じゃないのに強がる、馬鹿。
いつだって、前向きで。
現実から目をそらさずに、立ち向かう。