キミノトナリ


俺は女に興味がない。


回りにはうるさい女しかいないから、


名前だって覚えない


でも、藍川みよ


だけは自然と覚えていた。

初めて藍川みよを見たのは、図書室で寝ている時だった。


俺は見つからないように、一番端の床に座って眠りについた。


図書室は聖地だ。


女がよってこない唯一の場所。



目を覚ますと、声が聞こえた



「ね…ねちゃった!」



変なやつ



「みよー、迎えにきたよー」

「茉莉亜、用事はおわったの?」


「うん、じゃあ教室に戻ろうか」



二人の女は図書室からいなくなった。




そのあと、高二になったら部活の最中に藍川みよを見かけた。



藍川みよはサッカーをずっと見ていた。



毎日…



でも、ある日から見にこなくなった。


俺はそのあと、ちょくちょく藍川みよを見かけた。




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