キミノトナリ


びっくりした。海にそっくりな人がいた。



「海………とそっくりな人がいるよ」



海、私はどおしよう。海とそっくりな人がいるよ。



明日から高校三年生。


また新しい春がくる。


海がいなくなってすいぶんたったよ。私はいまでも海がだいすきだよ。




「海は海だもん、似てる人がいても海じゃない


だから、明日あの人に謝ろう!


失礼な態度をとっちゃったからね。」



「みよ、どうかしたか?」


「お兄ちゃん、私さっきの人に謝る!」


「えっ!」



「だって、海は海であの人はあの人でしょ?海と似ていても海じゃないし、なのにあの人に失礼な態度とっちゃったから……」


「そうか、頑張ってこいよ」


お兄ちゃんの手は私の頭をわしゃわしゃて撫でる。




 海─…
 私は強くなったのかな?




.
< 27 / 53 >

この作品をシェア

pagetop