キミノトナリ


教室に入ると、見たことがある顔や見たことがない顔がいっぱいだった。



私たち座席表の通りに席につくことにした。


この学校は、名前の順の座席っていうのはない。


毎年、担任の先生たちがわざわざあみだくじをやって座席が決まるという、ユーモアがある学校である。




私たちの席は一番後ろから二番目の席。しかも、窓際だから外が見えるいい席。


「一番後ろがよかったな〜」

「茉莉亜?」


「だって、寝ててもばれないでしょ」



「あっ、そっか」



「みよは居眠りしないもんね、」


「うん、なんか眠れないんだ。寝言とか言ったらって考えると眠気がさめちゃうよ」


「あー、そんなこと一回も考えたことなかったや」



「茉莉亜、去年寝言いってたよ?」



「えっ!嘘!」



「うそだよ」



「みよ〜!」




隣の席の茉莉亜ちゃん、まさか席まで隣になるとは……



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