キミノトナリ
──キキーッ ゴーンッ
居眠り運転だったトラックが海の目の前に突っ込んできて、海は……そのまま直撃した。
私達は赤信号のまま、海に駆け寄った。
意識はまだあった。
「うみ!うみ!」
泣きながら横たわった血だらけの海を支えた。武は携帯電話を取り出して救急車に電話をした。
「海…ヒック…やだよ…ヒック」
「泣くな……っ…て」
「海!喋るな!救急車はよんだから頑張れよ!」
「武……俺は…も…だめだ…」
「海!そんなごどいわないでよぉ!」
「み…よ…、ご…めん…な…お前…を…幸…せにして…やれな…い
俺…は……みよが…世界一……好き……だ
だから…俺……が…いな……くても
幸せになれ」
「やだやだやだ!海!」
「海!しっかりしろ!」
「武……ごめん…な、今…まで…ありが……とな」
海は震える手を頑張って動かしながら、みよの頬に手をおき、
『…愛してる』
その言葉を最後に、みよの頬に置いていた手がズルッと落ちて、目が閉じた。
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