激甘王子様
気づく気持ち
翌日。
重い足取りで学校へ向かうと、校門の前には女の子の人だかりが出来ていた。
前まではまったく気にもとめなかった事だけど、今となっては気になる。
昨日の事なのに、さっきの事のように感じてしまう、、。
できるなら思い出したくないけど、思い出してしまうあの時の廉の顔。
「廉様、おはようございます」
「おはよう」
アイツの本性を知ったらみんなどう思うのかな??
笑顔で愛想を振り撒く廉を見ながら、心の中でそんなことを呟いていた。
「おはよー、椎菜」
突然肩を叩かれ振り向くと、そこには由里と…その横には、由里の彼氏の姿があった。
「はよ。椎菜」
この愛想のない挨拶が、由里の彼氏で、あたしの幼なじみでもある本庄逞。
「逞、肩になんかついてるよ」
「え?ウソ!?」
「ウーソー!!いつも仕返しよ。バーカ」
あたしは下をペロッと出し逞に、あっかんべーをしてやった。
「こんのーっ!!チビ女めっ!!!」
案の定、逞は怒るけど。
これがあたし達幼なじみにとっての毎日だったりする。