激甘王子様



そんな三浦くんを見て、クスッと笑みが零れる。

「なに笑ってんだよ」


恥ずかしそうに下を向く三浦くんが面白くて、お腹から笑いが込み上げてくる。


「ちょ、おまっ」


「だって…三浦くんが面白いだもん…あはははは」


「これ以上笑ったら、この消毒液ぶっかけるぞ」


そう片手に消毒液を、あたしに向ける三浦くん。


「ちょ、お止め下さい~」


「どっしよっかなー?」


なんて意地悪な笑顔を浮かべた…かと思えば急に真面目な顔になる三浦くん。


「もう大丈夫か?」


そうあたしの顔を伺う栗色の瞳。



「もうこのとおり、元気だよ!!」


そう笑ってみせると、


「よかった」


なんて優しく微笑む三浦くん。



心がポカポカ暖かくなった気がした。




< 49 / 96 >

この作品をシェア

pagetop