激甘王子様
「まだ廉の事……好きだよ」
その言葉にピタッと足が止まる
…
今
なんて?
声がした教室のドアの隙間から、チラッと中を伺う。
色白でハチミツ色の髪がふわふわな、お人形さんみたいな女の子
と
廉の姿
「好きなの。廉じゃなきゃダメなの!!」
そう泣きじゃくる女の子に、冷たい視線を向ける廉
「悪いけど…彼女いるし、今さら実姫とやり直すつもりなんてねぇから」
廉の怒りに似た声。
静かな教室から見える二人の姿は、どこか寂しそうで…。
あたしの知らない廉の姿があった。