激甘王子様
「だから?」
「えっ?だから、宮川さんなんて止めて…あたしと…」
と、言いかけながら女の子は目を丸くした。
「こんなくだらない写真で俺が椎菜の事嫌いになるわけねぇだろ」
口元を吊り上げる廉
その冷酷な笑みは怖いくらいで、口を結んでしまったあたしまで身体の奥がゾクリと震えた。
バタンッ
「きゃっ」
手に持っていた鞄を床に落としてしまった。
しまったという顔を浮かべた時には、もう遅くて…。
女の子の、キッと睨んだ冷たい視線があたしにぶつかった。
女の子の痛い視線を感じながら、重苦しい雰囲気が漂う中あたしは沈黙するしかなかった。