【続編】長男のカゴ
その後、善が呼んだ近野さんまでやって来る始末。



さすがにちゃらんぽらんな父も近野さんの話しには耳を貸していた。



「まず…仕事やめてくる…」

「職場はこちらで紹介いたしますので。やめない約束をしていただけるのならば、働いてもらいます」

「行ってきま~す…」



なんか今まで見たことない父親の姿だったんだけど…。



完璧に善のペースに飲まれたよね?



「ちょっと善…」

「文句あんの?」

「あんなのに投資するとか、本当に無駄金だから」

「わかんねぇじゃん?」

「わかるよ!!今まで仕事1年も続いたことないんだよ!?」

「怜だってちゃんと仕事して欲しいって言ってたじゃん」

「そうだけど…」

「チャンスやっただけじゃん?近野によれば2年以上かかるみてぇだし。それをやれなかったら話はナシ」

「善…」



あたしが嫌いな父親。



その父親に仕事を与える善…。



ただモンじゃない感じがするんだけど…。



「迷惑かけたらごめん…」

「誰が損する?父の就職、俺は別に損害ナシ。怜も嬉しくなって、一石三鳥」



やっぱり善ってすごい…。



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