【続編】長男のカゴ
何も言えなくなって黙ってしまった。



「藤間社長のお気に入りだったのに残念だわ」

「諦めてませんから…」

「そうなの?好きよ、あきらめの悪い子は」

「頑張ります」

「イイ方向に向かうことを祈ってるわね」



頭を下げてから学園長室を出た。



片づけのため、急いでS科フロアへむかう。



「怜ちゃん」

「…………」

「今日は目も合わせてくれないんだね~」

「雪村君と話したくない」

「別れたのは俺のせいだから?」



やっぱりこの男っ…。



あたしの会話、盗聴してたんだ…。



「別れたってあたしは善が好きだから関係ない。雪村君は何が目的なの?」

「なんだろう」

「は…?わかんないでこんなことやってんの?」

「確かな目標みたいなもんなんて、初めからないけど」

「信じらんない!!あたしと善の仲めちゃくちゃにしといて!!」

「少し飽きてきた。ってか、ぶっちゃけめんどくさい」



何言ってんのこの人…。



最低にもほどがある!!



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