【続編】長男のカゴ
【怜】



『ごめんなさい、先輩。あなたの家柄じゃ善先輩と釣り合わないので諦めてくださいね』



なれなれしくしないで…。



あたしの善をとらないでっ!!



「ダメっ!!」

「怜様っ!?いかがなされました!?」

「夢…か…」

「うなされてましたが…」

「変な夢見ちゃって…。もう朝ですか…?」

「えぇ、怜様がキッチンに顔を出しませんでしたのでお加減でも悪いのかと…」

「今何時っ!?ヤバッ!!弁当作る時間ない!!」



寝坊してしまい、お弁当を持たずに学校に走った。



朝は基本的に自分で起きる。



結城さんに起こしてもらうなんてほぼないこと。



あんな夢のせいで寝坊なんて善になんて言い訳したらいいのぉ~!!



「じゃあ先輩、頼みましたよ?」

「任せとけって」

「お願いしま~す!!」

「じゃあな、ナル」



朝から…ヤなもん見ちゃった…。



コレは夢じゃなく、確実に現実だ…。



2年S科クラス長、富田ナル。



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