【続編】長男のカゴ
その日の放課後、着替えもせずに善の部屋へやってきた。



「なんだよ…」

「近野さん、入れないで…」

「近野にはお前が来ること言ってるから来ない。カギしめた方がいい?」

「ん…」



カギをかけた善。



抱きついて離れないあたし。



「どうした?なんか変…」

「最近…エッチしてない…」

「だ、だから!?」

「シたくないの…?」

「待て待て待て、やっぱりおかしい」

「ヤダっ!!離れないからっ…ヤダ…」

「なんだよ…マジでどうした?」



善が抱きしめたあたしのカラダ。



今まで感じていた安心感が…足りない…。



「欲求不満なのかも」

「マジで言ってんの?」

「うん」

「お前がそういうこと…言わないはずだろ…。やっぱ熱でもあんの?」

「ないよ。ないから…善に…ギュッてされたい…」



微妙な顔をした善だけど強く抱きしめてくれた。



善が浮気しないように…。



だからお願い…。



「今日はやめとこう…」



どうして…。



< 315 / 360 >

この作品をシェア

pagetop