【続編】長男のカゴ
俺が悪いのは重々承知。



でも俺が大事なのは…ナルじゃない。



「昨日したことなら謝る。なかったことにしてくれなんて言わないから。でも俺は怜が好きだ」

「いつまでも待ってます…。こうなったこと、あたしは後悔してません」

「ごめん、ナル…」



ホテルを出て、近野を呼び出した。



行かなきゃいけないとこに今すぐいきたい。



「学園まで」

「ご自宅はよろしいのですか?」

「うん、急いで学園」



1時間後、やっと着いた学園。



昨日のスーツのまま、怜の部屋を目指した。



ノックをして開いたドアからは結城。



「怜は?」

「お会いになられない方がよろしいかと」

「悪い、外して?」

「かしこまりました」



部屋に入れてくれたことにホッとした。



ベッドの上でただ泣いている怜に胸が痛い…。



「怜…」

「バカみたい…」

「何が…?」

「もう…疲れた…。だからね、善と…バイバイするの…」



胸が苦しい…。



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