【続編】長男のカゴ
俺の実の弟だと言われてはいたけど、その辺のことは曖昧だった。



それに俺も全く覚えてないからな…。



「喋りすぎたな。風呂入ってくる」

「俺が先!!」

「なんだよ。一緒に入るか?」

「ふざけんな」

「ははっ」



なぜか一緒バスルームまで着いてきた。



脱げねぇじゃん…。



まぁ脱ぐけどね。



「デカくなったな…」

「どこが!?」

「身長だバカ。でも…デカくなったな」

「なんなの!!どこ見て言ってんだよ!!今日の雷変!!」

「お前が帰ってきたからか?やっぱり嬉しいんだな」



クソ~…。



恥ずかしいことばっかり言いやがって…。



歯磨きなんか初めてんじゃねぇよ…。



「雷、俺の実の親父って…」

「ロクな親父じゃなかったな。お前だけまともに育てたみてぇだけど」

「好きじゃなかったのか?」

「大嫌いだった。でもお前が親父を恨むのは筋違いってもんだからな?」

「恨むもクソもねぇよ。覚えてねぇから」

「墓参り、行くなら場所なら教えてやるからな」



墓参りか…。



< 69 / 360 >

この作品をシェア

pagetop