【続編】長男のカゴ
他では勝てないので、この結果はかなり嬉しかったりする。



「イタリア語とか全然わかんない…」

「教えてやろうか?」

「だ、大丈夫…」



怜がなんだか余所余所しい。



それはあの日からだ。



俺が寝ぼけて美衣と間違えて布団に引きずり込んだ日。



あの日から、俺達の関係は友達とは言い難い。



弁当だけの繋がりになってる気がする…。



きっと意識されてるし、俺も怜を意識してしまってる。



「よくわからん…」



そう呟いたのは寮に戻ってから。



女心、意味不明。



「何がわからないのでしょう…」

「勉強外のこと。俺が出会って来た女ってなんだろ。好きだとか言うのはどんな思いだったんだろうか…」

「それは善様が恋をなさればわかるのでは?」



そんなもんか?



俺が恋とか…できる気がしなくて不安だ…。



「最近メイドに手を出そうとしませんが…」

「チエタンがクビになんのイヤだし」

「いい心がけです」

「キスとか、どんだけしてねぇんだろ…」



怜としたらどんな感じだろう…。



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