【続編】長男のカゴ
靴を履いたまま部屋に上がり込んだ山田さん。



「土禁なんだけど…」

「それは失礼。はい」



脱いだローファー渡されたんですが…。



まぁいいか…。



玄関に靴を置くと、山田さんはすでにベッドに座って足を組んでいた。



「あなた、恋がどんなものかって聞いたわよね?」

「うん…」

「痛いでしょ、恋って」

「そうみたい…」

「それを知らずして恋は語れない。これ、私の持論ですわ」

「ですか…」

「やる気あるの!?」



やる気!?



そんなの…折れてしまってる…。



だってあたし…振られたから…。



「1回振られたくらいで何弱気になってるの!?嫌いだって言われた!?」

「そこまでは…」

「気持ち悪いとか、話しかけるなとか!!」

「言われてないよ!!ただ…『好き』がわからないから気持ちに応えられないって…」

「それは藤間 善が子どもだからよ。むしろ赤ちゃんね」



善が子ども…?



赤ちゃんって…。



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