【続編】長男のカゴ
山田さんって何者?



なんか…こんなにやる気のある人じゃなかったはずだよね?



「きっと彼は誰のことも好きになったことがないはずよ」

「はぁ…」

「あなた、彼に恋を教えなさい」

「はぁ!?」

「好きにさせるのよ。諦めるにはまだ早い!!」

「山田さん…」



いい人…じゃない?



山田さん、ただのバカお嬢だと思っててごめん…。



「でもどうして?あたしなんかにそんな…」

「恋する女は好きなのよ。ただそれだけ」

「そっか…」

「特に身分もわきまえずあんな高級物件にアタックしちゃうようなボロアパートはね」



普通にセレブと貧乏でいいって…。



不思議な人だな、山田さん。



「それはそうと、あなたなぜ普通科寮なんかに住んでるの?」

「えっ?」

「S科補佐ならS科寮に住めるはずよ?」

「なぜ!?」

「いろいろと不便でしょ。私の隣が空いてるはずよ。今日にでも引っ越しなさい。手続きは渡部に頼んであげる」



強引な人だな…。



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