メリアと怪盗伯爵
ふと、メリアは物思いにふけっていた自分にはっとして、慌ててパトリックに視線を戻した。
「けれど、僕が心配しているのはそれだけじゃない」
メリアの手を握り締め、パトリックは真剣な眼差しでテーブルの横に立つ彼女を見上げた。
これ程真剣なパトリックの目を見たのは、メリアはきっと初めてに違い無い。
澄んだビー玉のような茶の瞳が、メリアの目を捉えたまま離さない。
メリアは突然の彼の真面目な顔つきに、無意識に息を潜めた。
「パトリック様?」
「デイ・ルイス侯爵が、アダムだけではなく君にまで目をつけたんだ・・・」
メリアはパトリックの顔をまじまじと見つめ、ふっと笑みを浮かべた。
「わたしを?? まさか、そんなことがある筈ないですよ」
「彼は本気だよ。・・・でなければ、あんな招待状を同封して僕に寄越すことなどしない」
自分のパートナーとして夜会に出席した女性に対し、あのような招待状を送るなど、普通ではあまり考えられないものだ。それも、メリアをパートナーに選んだ者充ての手紙にそれを同封してまで・・・。
「そんなまさか…」
メリアはいつになく真剣な表情のパトリックを見た。その目は、とても冗談を言っているようには見えない。
「彼に君が侍女だということを隠し通す」
「けれど、僕が心配しているのはそれだけじゃない」
メリアの手を握り締め、パトリックは真剣な眼差しでテーブルの横に立つ彼女を見上げた。
これ程真剣なパトリックの目を見たのは、メリアはきっと初めてに違い無い。
澄んだビー玉のような茶の瞳が、メリアの目を捉えたまま離さない。
メリアは突然の彼の真面目な顔つきに、無意識に息を潜めた。
「パトリック様?」
「デイ・ルイス侯爵が、アダムだけではなく君にまで目をつけたんだ・・・」
メリアはパトリックの顔をまじまじと見つめ、ふっと笑みを浮かべた。
「わたしを?? まさか、そんなことがある筈ないですよ」
「彼は本気だよ。・・・でなければ、あんな招待状を同封して僕に寄越すことなどしない」
自分のパートナーとして夜会に出席した女性に対し、あのような招待状を送るなど、普通ではあまり考えられないものだ。それも、メリアをパートナーに選んだ者充ての手紙にそれを同封してまで・・・。
「そんなまさか…」
メリアはいつになく真剣な表情のパトリックを見た。その目は、とても冗談を言っているようには見えない。
「彼に君が侍女だということを隠し通す」