Alice in the crAzy world
the memory
「ねえ、アリス」
少女は振り向いた。
白い兎は、悲しげな顔で尋ねる。
「本当に行ってしまうの?」
少女は、微笑んで頷いた。
白い兎は俯く。
「大丈夫よ」
「どうして?」
「また会えるでしょう?」
少女の長い髪が揺れ、僅かな光が反射し輝いた。
白い兎は大きく頷く。
次の瞬間、暗く深い闇が少女を包んだ。
「……またね、アリス」
白い兎は、1人そう呟いた。
――ねえ、アリス。
忘れてないよ、あのときの言葉。
だからさ、そろそろ迎えに行こうかな。