ロサは侍女になることにした
「すまんが、その子を助けることはできない…」
「な、なぜです!?」
重傷の人間だと、見れば分かるはずだが。その医者は眉間に皺を寄せ、汚いものを見るような目をしていた。
「その子は川の向こう側から来たんだ…」
「はぁ…どういう意味です?」
「違うんだよ私たちとは。…私たちは貴族や一般市民だが、あそこに居るのは小汚なく、貧しい…」
頭にきた。それと同時に深い悲しみも感じた。
「…あんたは医者だろうが!人を助ける医者が差別していいのか!自分はあんなのと関わりたくないから助けなくて…はぁ……。もういい、あんたを当てにした私が悪かった。」
ロサは老人医者をキッと睨んで、川の向こう側へと走り出した。
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