ロサは侍女になることにした
『診療所』
少女が運ばれて三時間がたった。ロサは診療所の待合室で静かに待ち続けていた。
その間に、川のあちら側の医者の態度を思いだしたが、この国に来たばかりだった為に上手く状況がのみ込めない。
ただ、少女が無事であることを願った。すると、カタンと乾いた音が静かに響いた。
「おわったよ。もう少しすると目を覚ますだろう。」
青年が、ふーっと軽く息をつきながら言った。
「あぁ、よかった。ありがとうございます。」
「いや、仕事だからな。そうだ、紹介が遅れた…俺はリークだ。」
「私は、ロサです。…旅の途中でこの国に来ました、それで…川のあちら側とはどういう関係なのですか?」
相手はあまり話したくないだろうが気付くと口が動いていた。
「んー、あまり面白くない話ですよ。」
とリークは苦笑いしながらも語り始めた。