ロサは侍女になることにした
「大昔からなんだ。ここで生まれたってだけで[川の向こう側]の人間だって言われてる。近くを通ったり、すれ違っただけでも邪険扱いだ。」
「なんてこと…同じ人間なのに。」
「俺たちは、あいつらにしてみれば人間以下だと思って生きているからな。」
その話を聞いたロサは静かにため息をついた。
「そう言えば、国王は何をしているのです?」
「さぁな。国王に見捨たようなものだからな。」
リークもため息をついた。「そう言えば、きみはあの子をどこで見つけたんだ?」
「川のあちら側です。目の前で大男に撃たれたところを…」
とロサが話すとリークは目を丸くした。
「大男って、あの強くて柄の悪いやつらか、また性懲りもなく……ん?君はなぜ奴に捕まらなかったんだ?」
「あぁ…ちょっと眠ってもらうために首の後ろを…」
ロサが大男を気絶させた時の手振りをしながら話すとリークは笑い出した。

「あはははは、君は強いな。でも、君が助けたお陰であの子が生きられたんだ、礼を言うのは俺たちだよ。」

「私たちは同じ人間です。偏見なんて持ちませんよ。」
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