ロサは侍女になることにした
「あぁ、本当に家族のようだ。」
そう言うとロサは少女の手を握ったままそのまま眠りに落ちた。
「疲れていたんだな。」とリークは小さく微笑んだ。

そのかわり眠っていた少女が「うぅ〜」と伸びをしながら、うっすらと目を開けた。
「ふー、ここは…どこ〜」
「おっ。目が覚めたようだな。梅燕(メンイェン)」

うーんとよく働かない頭でリークを見る。

「あ〜、診療所のお兄さんだ。なんでここに居るの?」
「さぁ、なぜかな?」

少女、梅燕は何か思い出したのか、ガバッと起き上がった。

「あ、そうだ…わたし!っ痛っ〜」

「まぁ、大方あっちの人間にでも襲われたんだろ?」
「…そうだよ!!あ、あたし。なんで生きてるの!?あいつらに襲われて…それで!」
「それは、君の手を見れば分かるよ。」
リークは梅燕にそう促した。

「手?…わっ!!だ、誰?あっちの人!?」

梅燕はリークとは別の人間の存在に驚いた。
「旅人だとさ。こっちに来たとき目の前で梅燕が倒れていたのを助けてくれたんだ。」

「そうなんだ。…あっちの人は私たちに近寄りもしないのにね。」
「君のために大声で医者を探し回ったみたいで、今は疲れて眠っているけどね。…優しい人なんだ。」
リークは微笑みながら言った。
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