ロサは侍女になることにした
その頃、ロサは夢を見ていた。とても懐かしくて、どこか儚い様なそんな夢だった。
 ロサには両親と3つ下の妹がいた。
「リズ、行っておいで。」とロサが妹のリズに言った。このときのロサは12歳だった。
「え!いいの!?やったぁ!!」リズは何度も跳び跳ねて喜んだ。
何せ滅多に行ける場所ではないからだ。
ゴーディンから半日かかる所にある、バーバリという楽園の様な国へ、家族で旅行できると。
とても楽しみにしていたロサとリズに、学校の先生から村の祭りの準備を任された。
妹を祭りの準備で村に取り残すのは可哀想だったので、長女のロサが引き受けたのだった。
「ロサ、いいの?本当にいいの?」
母が一番気に掛けてくれた。
リズと一緒に大喜びしてたのに…と。
「気が変わったから。やっぱり友達と祭りの準備をしてくる。留守番するよ。」
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