ロサは侍女になることにした
梅燕の元気さに少し驚いたが、とても明るくていい娘だと思った。

「梅燕。ここは?」

先程からここが診療所とは違うこと気づく。

「あ、あのね。お姉ちゃんが診療所で寝てたでしょ、そしたらお兄ちゃんが迎えに来てね、お礼がしたいから家に運んで寝かせてあげようって。診療所よりは柔らかいベッドかもってあたしが思ったから。…余計なお世話だったかな…?」

梅燕は少し困った顔をした。
「いいや、私の為にしてくれたのだろう。礼を言う、ありがとう。」

そのとたん梅燕の顔が、ぱぁっと明るくなった。
「ほんとっ!?」
「あぁ。本当だ。」
「よかったー。なにか聞きたいことがあったら言ってね?」

ロサの言葉に、ぴょんぴょん跳ねて梅燕は喜んだ。

「そうだ、梅燕。ここはグルーヴと言う国か?」
「うん。川の向こう側は都市部。こっちは下町。」
「そうか、梅燕は自分のことどう思ってる?」

答えにくい質問に、梅燕は戸惑いながらも言った。

「…うーん、あまり良くないって思う…。私はみんなのお荷物なんじゃないかって…。」

「そんなことない。湧き水をくれたり、質問に答えてくれたり、私をここで寝かせようと考えてくれたことで、私がどれだけ助けられたか。」

と言い、梅燕の頭を優しく撫でてやった。
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