ロサは侍女になることにした
「それから。[お兄ちゃん]はやめてくれ…。」

「えへへ、ごめんて。飛舞兄さん。あ!そういえばロサお姉ちゃんは、兄さん会うのは初めてだよね?」

いきなり振られた話に「あ、あぁ。」と我にかえった。

「紹介が遅れた。俺は飛舞(フェウー)、妹が世話になったな。」
「いや。世話になったのは私の方だ。梅燕には色々と助けられた。」
「?」

「色々よ!兄さん!」

ロサの言葉が上手くのみ込めなかったが、梅燕が言ったことも理解できなかった。まぁ、とにかく[色々]とうことらしいのでそういうことだと飛舞は悟った。
(つくづく女は分からないな。)

「そういえば、ここには2人しか住んでないのか?」
ロサは2人を見ながら言った。

「あぁ。…と言っても、元々一人だったからな。」
「元々一人だった?」
「うん。私と飛舞兄さんは義兄妹なんだよ。会うまでは顔も名前も知らなかったの。」
「…2人は別々に暮らしてたのか。」
「あぁ。俺はここに留まっていたが、隣国が戦火に捲き込まれてそこに梅燕が住んでいた。」
「私は、そこから逃げてこっちに来たの。兄さんに助けられて、今はここに住ませてもらってるんだ♪。」
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