ロサは侍女になることにした
「心配するっていうのは、自分はこれから良くない目に遭うと勝手に思い込んでるだけじゃないか?」
「…どういう意味?」
ロサは梅燕を見つめこう言った。
「自分を信じていない。という意味だ。」
「信じてたら心配しないってこと?」
「あぁ。」
「…えぇ?うぅ、頭が痛くなってきた。ごめん。ちょっと、頭を休ませて。」
梅燕は手で頭を押さえながらうずくまった。
「すまない、蓮芽。難しい話をしてしまった。」
「ううん…。私、隣の部屋で横になってるね。」
梅燕はそう言うと、隣の部屋に行ってしまった。
カタンと戸の閉まる音が部屋に小さく響いた。
すると先程まで黙り込んでいた飛舞が口を開いた。
「ロサ、さっきの話はどういう意味なんだ?」
「そうだな。…例えば、私が貴方に襲いかかったとしても、貴方は私を軽々と倒せるだろう?だが、梅燕が貴方の力を信用していなかったら、貴方が負けるのでは?と不安になって心配する。これを一人に置き換えても自分を信じられないから何もできない。」
「俺はそんな野暮ではないぞ。」
「あぁ、そうだろうな。知って悲しくなるだけだ。」
とため息をつきながら言った。
「そういえば、ロサは目的があってこの町に来たんだろ。」
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