ロサは侍女になることにした
その頃、ロッカーの森をずんずんと進むロサの目の前に、大きな岩穴が現れた。地図には記されていない道なだけに少し戸惑った。ロッカーの森は一本道で分岐点のない覚えやすい道のはずだ。
「妙だな。森を抜けたら街のはずだが、ここも森の一部なのか?」
岩穴は、目の前にそびえ立つ岩山にぽっかりと空いていた。
よく目を凝らして見ると、あちこちに電子機器や金属の破片が落ちていた、どうやら人工的によってできた穴のようだ。
しかも、穴だけでなく道も出来ていた。
「この道は一体、どこまで続いているんだ?」
ロサの独り言が優しくこだました。
中はそれほど暗くはないが、じめじめして薄気味悪い感じがした。
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