ロサは侍女になることにした
「お前さんの家族はそんなことで死ぬのを喜ぶような不幸な人間じゃないだろ。」

はっとした。
ロサは、深く暗い夢から目が覚めたように感じた。
が、またすぐ下を向いた。
「でも、立ち直ろうと思うと勇気が出せません。」

「家族はちゃんと自分逹の事を見守ってくれている。お前さんはひとりじゃないんだ。村の皆がお前さんが早く元気になるようにと御神木に願い事をしていたよ。これでもうひとりじゃないだろう。」

知らなかった。数日間、食事もとらず海ばかり見ている私の為に、村からかなり離れた御神木まで行って願い事をしていたことに。
「さあ、帰ろう。村の皆が待っているよ。」
村長は微笑みながらいった。
「…はい。」
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