野に咲く一輪の花の如く

「未来は大丈夫そうだけど、ご家族は? 進先輩は?」



あっ……そう言う事か……。

真由は中学も高校も一緒だったから、もちろん進を知っている。



「実家は無事で、今日は両親と買い物に来たの」

「そうなんだ」

「でも、住んでたアパートは傾いてしまって、もう解体する事にした……って、昨日大家さんから連絡が来たよ」

「進先輩の所は大丈夫だったの?」



私も進も一人暮らししている事を知っている真由は、きっと私のアパートがダメでも、進の所が大丈夫ならそっちで生活できる……そう思ったんだよね?


私は首を左右に振った。



< 102 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop