野に咲く一輪の花の如く
「えっ? 2人共ダメだったら、今はお互い実家に居るの?」
真由の中では、『進は無事』と言う前提らしい。
私は再び、首を左右に振った。
すると、真由は不思議そうに首を傾げた。
「進とは……あの日以来、連絡が取れないの」
私がそう言うと、真由はハッとした。
「あの日、沿岸部へ出張だったの、進」
真由の表情は変わらなかった。
「メールしたけど……返信待ってるけど……メールが来ないの」
私は呟くように言った。