野に咲く一輪の花の如く
「きっと頭の何処かでは『ダメかもしれない』と思ってたかもしれない。
だけど、それよりも『何処かで助けを待っているかもしれない』って気持ちの方が強かった……。
だから、次の日に迷わず探しに行った」
「真由」
私は名前を呼ぶだけで、他に言葉が出なかった。
「住んでた家は元の場所には無くて、近くを探したけど、なかなか見付からなかったんだよ。
たくさんの瓦礫の中から、自分の家との共通点を探して……。
最終的には見付けてもらったんだけど……辛い結果だったけど、発見された場所まで迎えに行けて、後悔してない」