野に咲く一輪の花の如く

「ふぇ」

小さな赤ちゃんの泣き声がすると、真由はベビーカーを覗き込んだ。



「起きちゃったね〜、もうお家に帰るからね?」

赤ちゃんにそう話しかけてから、真由は私を見た。



「今度は進先輩も一緒に、ゆっくりお話しよう? 連絡、待ってるから」



真由のその言葉は『大丈夫、きっと会えるよ』って言っているような気がした。


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