野に咲く一輪の花の如く

私はローソクの灯りで薄暗い台所で、食器を洗っていた。



「未来さん」

「はい」



呼ばれて振り向くと、伊藤さんが台所に入ってきた。



「どうされました?」

私が首を傾げてそう言うと、伊藤さんは目をキョロキョロと泳がせた。



ん? どうしたんだろう?



「……悪かったな……」



えっ?


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