野に咲く一輪の花の如く
私達はお互いの実家に、2人で進の無事な姿を見せに行った。
どっちの家でも泊まって行くように勧められたけど、久し振りに2人きりで過ごしたくて、私達は無事だった進のアパートに帰った。
アパートの部屋の中に入ると、お互い挨拶回りなんかで緊張していたのか、気が緩んでホッとした感じがした。
そして、そんな私を進は優しく抱きしめた。
その日の晩は、お互いの存在を確かめるように、一晩中抱き合って眠った。
震災以来、初めて深い眠りにつけたのは、きっと私だけじゃなくて進もだったと思う。