野に咲く一輪の花の如く
「そんな前田が、未来さんに心配をかけたままで連絡しないのには、きっと事情があるんだ。
……何か連絡があったら知らせるから、未来さんも何かあったら俺に連絡してくれ。
いいかい?」
「はい」
大野さんは私の返事を聞いて、温かい笑顔で頷いてくれた。
そして、大野さんは帰って行った。
携帯は圏外だったけど、ここに来てよかった。
大野さんに会えて、少しだけ進に近付けたような気がした。