野に咲く一輪の花の如く

私の言葉に、真由はちょっと悲しげな表情をして、私を見た。



「うん……私とこの子は、無事だったんだ」



……私とこの子『は』?



「ああ、あと、他県に出張中だった旦那も、ね」



その言葉に嫌な予感がして、鼓動が速くなる。

私の表情を見て、真由は淋しげに苦笑いをして言った。



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