+DOLL+
私は1人考えていた。
人形を使って、本当に嫌いな人間を始末できるのか?
もしそんなことができるなら、
私は何の迷いもなく、
クラスの子を順々に消していくだろう。
私をクラスの中心人物に仕立て上げた先生・・・
あの人は絶対に消したい。
私はクラスの中心の人間になんかなりたくなかったのに・・・。
そして、私の前ではイイ子のふりをしている女子・・・。
私の消したいと思う人間はいくらでもいるのだ。
“始末してあげるんだよ?”
人形の言葉が頭をよぎってしまう・・・
正しいかどうかなんて知らない。
でも、あの子を・・・消してしまいたい。

『ねぇ、大野さんって子を
 始末してくれない?』

私は人形に話しかけた。
“大野・・・ね、分かったわ。
 明日までに始末しておいてあげるわ。”
人形はそういうと立ちあがった。
(人形なのに立てるんだ・・・)
私はそう思いながら人形を見つめていた。
“明日にはきっと楽しいことになるわ。”
人形は真っ暗な夜の闇の中へと消えて行った・・・


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