ドライガール
仕事から帰ると、部屋の中は真っ暗だった。

「明かりくらいつけなよ」

電気をつけると、祐樹はいなかった。
またパチンコかと思い、帰りを待っていると、携帯が鳴った。

「助けてくれ、金がないんだ。競馬で全部すっちまった」

「もうあんたに貸す金はない」

「そんな事いわないで貸してくれよ」

「早く、帰ってきてご飯食べよう?」

「うるさい!俺には金が必要なんだ!」

怒鳴り声と共に、携帯が切れた。

「一緒にいたいだけなのに」と、私は呟いた。

祐樹と会話したのはこれが最後だった。彼は二度と帰って来なかった。

人はなぜ、愛を育み、壊し、その繰り返しをするのだろうか。
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