ドライガール
求めるのは、愛ではなく、この不安定な感情を満たすための心の安らぎ。

幼少の頃、帰る家がなかった私は、よく、警察に補導されていた。

両親が迎えに来ても一言も話さず、ただ一緒に帰るだけだった。

何か言って欲しかったのかもしれない。

家に帰らなかった理由を訊いて欲しかったのかもしれない。

家に帰った途端、私は父に殴られた。

面倒かけるんじゃないと、何度も何度も殴られた。

母は黙ってそんな私は、悲しげに見つめていた。
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